低血糖?
低血糖とは言葉の通り血液中の糖、血糖が下がりすぎてしまった状態です。
低血糖といえば通常、主に生活習慣によって血糖値が高い状態(高血糖)が続く糖尿病の治療の中で問題になります。糖尿病の人は血糖値を正常値に保つために血糖値を下げる薬を飲むことがあるのですが、その薬によって逆に血糖値が下がりすぎてしまう低血糖が起こる可能性があります。
小児の低血糖
インスリンというホルモンがあり、血糖値が高くなりすぎたら血糖値を下げてくれる働きをします。
糖尿病は1型(インスリン分泌不全)と2型(生活習慣などによる2次性の高血糖)に分類され、インスリン分泌がうまくされないことによって血糖値が下がらなくなる1型糖尿病に関しては小児に起こる可能性があります。
今回は糖尿病とその治療による低血糖ではなく、小児の体、栄養という部分から生じる低血糖についてまとめてみます。
小児の血糖に関わる特徴
小児は自分の成長のためにたくさんのエネルギーを消費しています。そのため、体重当たりのエネルギー必要量は大人よりも多いです。体は小さいけどたくさんのエネルギーを必要としているのです。
そしてそのエネルギーの使い道は脳が一番多いです。
たくさんのエネルギーを必要としているが
小児、特に6ヶ月齢前では体の機能がまだ十分に機能していないため以下のような問題があります。
- グリコーゲンの蓄積量が少ない
- 筋肉量が少ない
それぞれ解説していきます。
グリコーゲンの蓄積量が少ない
グリコーゲンとは肝臓に貯蔵されるエネルギーであり、食事が摂れないときや飢餓時に血糖値が下がったときにはこのグリコーゲンが血糖値を正常に保つ役割があります。
しかし小児ではこのグリコーゲンの蓄積がまだ少ないため、血糖値が下がったときにそのまま下がりっぱなしになってしまいます。
筋肉量が少ない
筋肉では糖新生というアミノ酸や脂質などから糖質を作る機能があるのですが、筋肉が少ないために血糖値が下がったときにこの糖新生が十分に行われません。
低血糖による影響
先ほど挙げた2点からも小児、特に新生児は大人よりも低血糖になりやすい状態にあります。
では低血糖になるとどのような影響があるのでしょうか。
それはエネルギーを最も多く使用している脳に起こります。
低血糖が4時間以上続くと脳への後遺症が発症すると言われています。
また、新生児では痙攣などの神経症状を伴う低血糖発作を起こすと50%に神経学的な後遺症が残ると言われています。
母乳やミルクの感覚については新生児では3時間ごとくらいの感覚であげることが多いかと思いますが、そのくらい、もしくはもう少し間隔があいても問題ないかとは思います。
低血糖についてあまり神経質になる必要はないとは思いますが、体調不良などで母乳やミルクが飲めないという状態のときには速やかに点滴などでの栄養投与をする必要があります。